今回はアサンテ(6073)についての記事です。
アサンテが高配当株投資として長期運用するのにむいているかを分析します。
この記事を読むと以下のことが分かります。
- 過去データの閲覧方法
- 過去データの分析方法
- アサンテが高配当株投資にむいているか
注意点もご確認ください。
- 2023年5月末時点の情報をもとに分析しています。
- この記事は、私が個人的に銘柄分析したものを備忘録的にのこしたものです。
- 将来の値動きはだれにもわかりませんので参考程度にご覧ください。
- 投資は自己責任でお願いいたします。
それでは早速分析していきましょう。
- 分析結果(結論)
- 分析の方法
- 詳細分析(8項目)
の順番でお案内します。
結論
結論としましては、アサンテは高配当株投資としては少し微妙かもしれません。
まずは分析結果を表にまとめましたのでご覧ください。(詳細は後述しています)
分析ポイント | 結果(◎〇△×の四段階) |
売上高 | 〇 |
EPS | × |
営業利益率 | 〇 |
自己資本比率 | ◎ |
営業活動によるCF | △ |
現金等 | ○ |
1株あたり配当金 | ○ |
配当性向 | × |
この中で最重要指標のEPSがかんばしくないです。
また、配当性向が警戒する水準なのもきになります。
それ以外は悪くないのですが、やはり上記2つがネックですね。
なので基本は買わない。買うにしてもよっぽど配当利回りがよくなったら検討する感じでいきたいと思います。
分析方法
過去のデータを分析して、高配当株投資に適しているかを見極めます。
分析するデータはIR BANKというサイトから引用。
分析方法は下記の動画を参考にさせていただいております。
- 超有名な投資系ユーチューバー、両学長さんの動画です。
- チャンネル登録者数はなんと230万人越え!
- 高配当株の選別方法を知りたい方にはとても参考になる動画です。
- 動画内の文言を多数引用させていただいております。
この動画を参考に以下の項目をチェックします。
(IRBANKの使いかたは動画の9:15を参照してください。)
- 売上高
- EPS(一株当たりの利益)
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたり配当金
- 配当性向
それでは早速分析していきましょう。
分析ポイント①:売上高
売上高とは、売上金額の総額です。
会社によっては「営業収益」や「収益」などいろいろな呼ばれ方があります。
分析するときのポイントは次のとおりです。
- 右肩上がりで売り上げが伸びているか
- 売り上げの増減が激しくないか
売上高の上下が激しい、つまり業績が不安定な企業は高配当株投資には向いていません。
業績が安定していなければ配当金も安定して払えない確率が高いですよね。
売上高のデータは以下のとおりです。
(出典:IR BANK)
右肩上がりとはいかないまでも、コロナ渦でも大幅に売り上げが減ることもなく安定した売上高の推移です。
分析ポイント②:EPS
EPS(Earnings Per Share)とは、一株あたりの利益のこと。
株式投資においてもっとも重要な指標です。
超有名な投資家バフェット氏も重要視しています。
分析するときのポイントは次のとおりです。
- 右肩上がりで伸びているか
極論、EPSが右肩上がりなら企業経営は100点。
もしEPSがさがっていたら、まずいかも。
EPSのデータは以下のとおりです。
(出典:IR BANK)
EPSは右肩上がりとは言えない推移です。
コロナ渦でも売上高は激減しませんでしたが、EPSはがくんと落ちましたね。
しかもコロナ前の水準に回復していないのが気になります。
分析ポイント③:営業利益率
営業利益率とは、売り上げのうち営業利益の占める割合です。
これが高いほど収益性の高い企業といえます。
つまり儲かるビジネスをやっているということです。
分析するときのポイントは次のとおりです。
- 10%以上なら優秀
- 5%以下なら検討の余地なし
東証1部上場企業(金融業以外)の営業利益率の平均は7%前後。
利益率が伸びているか悪化しているかトレンドもチェックしましょう。
営業利益率のデータは以下のとおりです。
(出典:IR BANK)
近年は10%に少し届かないくらいですね。
今後下落し続けるのか盛り返すのかチェックが必要です。
分析ポイント④:自己資本比率
自己資本比率とは、企業の安全性を表す指標です。
これが高いほど潰れにくい会社ということ。
100万円資本があったとして、その内40万円が借金なら自己資本比率60%です。
分析するときのポイントは次のとおりです。
- 最低でも40%は欲しい
- 60%以上なら安心
- 80%以上なら♡
中小企業の場合、自己資本比率40%以上の会社が10年以内に倒産する確率は3.5%。
上場企業で自己資本比率60%以上なら倒産リスクはかなり低いといえそう。
自己資本比率のデータは以下のとおりです。
(出典:IR BANK)
近年は80%を超えているので文句なしで優良ですね。
分析ポイント⑤:営業活動によるCF
営業活動によるCFは手元の現金がいくら増えたのかを表す指標。
ちなみにCFとはキャッシュフローのことで、お金のながれのことです。
分析するときのポイントは次のとおりです。
- 毎期黒字であること
- 増加傾向にあること
動画作成者の両学長は、過去10年で1度でも赤字の年がある場合購入しないそうです。
営業活動によるCFのデータは以下のとおりです。
(出典:IR BANK)
毎期黒字ではあります。
でも右肩上がりとはいえないですね。
分析ポイント⑥:現金等
企業の目的は現金を稼いでふやすこと。
なので増えているかちゃんとチェックしましょう。
分析するときのポイントは次のとおりです。
- 長期的に増えていくのが理想
現金がたくさんあれば、不景気を乗り越えられるし事業投資もたくさんできるし配当や自社株買いで株主に還元できる。
また、現金をあまり持っていないように見えても株や債券などの資産を保有している可能性もあります。
現金等のデータは以下のとおりです。
(出典:IR BANK)
コロナ渦までは順調でした。
2021年に大幅減してから、2年で戻していないのが気になります。
とはいえ現状キープはしているので悪くはないですね。
今後増えて行くか要チェック。
分析ポイント⑦:1株あたり配当金
1株あたり配当金は、高配当株投資においてトップレベルに重要な指標。
絶対にチェックしましょう。
分析するときのポイントは次のとおりです。
- 配当金の安定性
- 配当金の成長性
減配(配当金が減ること)や無配(配当金が0円になること)がないか確認。
また、減らないだけでなく増えているかも重要。
また、リーマンショック(2008年)やコロナショック(2020年)などの不景気時の動きは要チェック。
1株あたり配当金のデータは以下のとおりです。
(出典:IR BANK)
順調に成長していますね。問題なさそう。
分析ポイント⑧:配当性向
配当性向とは、利益の内何%を株主にキャッシュバックするかを示す指標。
企業が無理をして配当を出していないかをチェックできます。
分析するときのポイントは次のとおりです。
- 30~50%が健全
- 70~80%は警戒ライン
70~80%は配当維持が厳しくなりそうな水準。
配当性向のデータは以下のとおりです。
(出典:IR BANK)
コロナ渦までは問題なしでした。
ここ3年は高すぎますね。
今後の動向は要チェック。