高配当株の分析 PR

蔵王産業(9986)は高配当株として長期投資できるのか分析します

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蔵王産業(9986)が高配当株投資としての長期運用にむいているかを分析します。

蔵王産業の特徴
  • 業種:卸売業
  • 業務用清掃・洗浄機器の輸入販売商社
  • 配当金の権利確定:3月・9月
  • 配当方針:配当性向重視⇒年間100円の安定配当へ変更(2026年まで)
  • 株主優待なし

 

この記事を読むと以下のことが分かります。

  • 過去データの閲覧方法や分析方法
  • この株が高配当株投資にむいているか
  • 購入タイミングの考え方
  • 配当金の権利確定月

 

注意点もご確認ください。

  • 2023年10月時点の情報をもとに分析しています。
  • この記事は、私が個人的に銘柄分析したものを備忘録的にのこしたものです。
  • 将来の値動きはだれにもわかりませんので参考程度にご覧ください。
  • 投資は自己責任でお願いいたします。

 

それでは早速分析していきましょう。

分析方法

過去のデータを分析して、高配当株投資に適しているかを見極めます。

分析するデータはIR BANKというサイトから引用。

分析方法は下記の動画を参考にさせていただいております。

  • チャンネル登録者数240万人越えユーチューバー、両学長さんの動画です。
  • 高配当株の選別方法を知りたい方にはとても参考になる動画です。
  • 動画内の文言を多数引用させていただいております。

この動画を参考に以下の項目をチェックします。

(IRBANKの使いかたは動画の9:15を参照してください。)

  1. 売上高
  2. EPS(一株当たりの利益)
  3. 営業利益率
  4. 自己資本比率
  5. 営業活動によるCF
  6. 現金等
  7. 1株あたり配当金
  8. 配当性向

 

結論

まずは結論。

蔵王産業は高配当株投資として適していると判断しました。

動画のとおり分析したところ、下記のような結果に。

※◎と〇は合格点です

分析ポイント 結果(◎〇△×の4段階)
売上高
EPS
営業利益率
自己資本比率
営業活動によるCF
現金等
1株あたり配当金
配当性向

営業活動によるCFは、2023/3期に大幅減となっているので今後の動向を注視する必要があります。

その他は問題ない数値となり、全体としては合格点です。

 

分析の詳細は下記をごらんください。

記事後半には、購入タイミングのヒントや配当金の権利確定月情報などもあります。

分析

過去データを分析し高配当株投資に適しているか判断します。

売上高

売上高とは、売上金額の総額です。

会社によっては「営業収益」や「収益」などいろいろな呼ばれ方があります。

分析するときのポイントは次のとおりです。

  • 右肩上がりで売り上げが伸びているか
  • 売り上げの増減が激しくないか

売上高の上下が激しい、つまり業績が不安定な企業は高配当株投資には向いていません。

業績が安定していなければ配当金も安定して払えない確率が高いですよね。

売上高のデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

激しい増減がなく全体的に増加傾向。

問題なしですね。

EPS

EPS(Earnings Per Share)とは、一株あたりの利益のこと。

株式投資においてもっとも重要な指標です。

超有名な投資家バフェット氏も重要視しています。

分析するときのポイントは次のとおりです。

  • 右肩上がりで伸びているか

極論、EPSが右肩上がりなら企業経営は100点。

もしEPSがさがっていたら、まずいかも。

EPSのデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

多少の増減はありつつも、右肩上がりでイイ感じです。

 

営業利益率

営業利益率とは、売り上げのうち営業利益の占める割合です。

これが高いほど収益性の高い企業といえます。

つまり儲かるビジネスをやっているということです。

分析するときのポイントは次のとおりです。

  • 10%以上なら優秀
  • 5%以下なら検討の余地なし

東証1部上場企業(金融業以外)の営業利益率の平均は7%前後。

利益率が伸びているか悪化しているかトレンドもチェックしましょう。

営業利益率のデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

安定して14%前後の数値なので問題なし。

商社は営業利益率が低いイメージがありますが、蔵王産業は優秀ですね。

 

自己資本比率

自己資本比率とは、企業の安全性を表す指標です。

これが高いほど潰れにくい会社ということ。

100万円資本があったとして、その内40万円が借金なら自己資本比率60%です。

分析するときのポイントは次のとおりです。

  • 最低でも40%は欲しい
  • 60%以上なら安心
  • 80%以上なら♡

中小企業の場合、自己資本比率40%以上の会社が10年以内に倒産する確率は3.5%。

上場企業で自己資本比率60%以上なら倒産リスクはかなり低いといえそう。

自己資本比率のデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

超超高水準。

すばらしい!

 

営業活動によるCF

営業活動によるCFは、営業活動(商売)で手元の現金がいくら増えたのかを表す指標。

ちなみにCFとはキャッシュフローのことで、お金のながれのことです。

分析するときのポイントは次のとおりです。

  • 毎期黒字であること
  • 増加傾向にあること

動画作成者の両学長は、過去10年で1度でも赤字の年がある場合購入しないそうです。

営業活動によるCFのデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

毎期黒字なのはOK。

ただし2023/3の数字がかなり減少しています。

前年との比較はこんな感じ。(クリックで拡大)

(出典:IR BANK

前年とくらべ支出がかなり増加していますね。

決算短信にもありますが、支出増加の主な要因は下記のとおりです。

  • 棚卸資産の増加額が499百万円
  • 法人税等の支払額が376百万円
  • 売上債権の増加額が333百万円

特に棚卸資産(在庫)の増加が気になります。

来年以降在庫を減らせるか、そして営業活動によるCFを増やしてゆけるか。

今後の推移を注視しましょう。

 

現金等

企業の目的は現金を稼いでふやすこと。

なので増えているかちゃんとチェックしましょう。

 

分析するときのポイントは次のとおりです。

  • 長期的に増えていくのが理想

現金がたくさんあれば、不景気を乗り越えられるし事業投資もたくさんできるし配当や自社株買いで株主に還元できる。

また、現金をあまり持っていないように見えても株や債券などの資産を保有している可能性もあります。

現金等のデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

きれいな右肩上がりですね。

イイ感じ。

 

1株あたり配当金

1株あたり配当金は、高配当株投資においてトップレベルに重要な指標。

絶対にチェックしましょう。

分析するときのポイントは次のとおりです。

  • 配当金の安定性
  • 配当金の成長性

減配(配当金が減ること)や無配(配当金が0円になること)がないか確認。

また、減らないだけでなく増えているかも重要。

また、リーマンショック(2008年)やコロナショック(2020年)などの不景気時の動きは要チェック。

1株あたり配当金のデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

多少の増減はありながらも、おおむね右肩上がりなので問題なし。

また、2023/03から以下のとおり配当方針が変更になりました。

  • 変更前:配当性向40%程度を目標
  • 変更後:1株あたり100円の安定的な配当(2026年まで)
  • 詳細は公式の資料をご覧ください。

※2023/3は業績好調で特別配当9円が上乗せされ109円。

この配当方針が2026年までということも覚えておきましょう。

 

配当性向

配当性向とは、利益の内何%を株主にキャッシュバックするかを示す指標。

企業が無理をして配当を出していないかをチェックできます。

分析するときのポイントは次のとおりです。

  • 30~50%が健全
  • 70~80%は警戒ライン

70~80%は配当維持が厳しくなりそうな水準。

配当性向のデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

配当方針が、配当性向重視⇒年間100円の安定配当へ変更となりました。(2026年まで)

それにともない大幅増配となったため、配当性向も前年比+21.1%と上昇し59.2%。

現在はそれほど問題ない数値ですが、配当方針の変更が今後配当性向にどう反映されるのか注視しましょう。

 

配当方針変更についての詳細は、ひとつ前の1株あたり配当金をチェック。

 

さらに分析(収益性)

上の8項目をチェックし、蔵王産業は高配当株投資として適していると判断しました。

ここではさらに高配当株投資に重要な項目「収益性」をチェックします。

収益性とは、企業の稼ぐ力を判断する指標です。

 

※下記の書籍を参考にさせていただきました。

ROE

ROE(Return On Equity)とは、日本語では自己資本利益率。

どれぐらい効率良くお金を稼いでいるかを示す指標です。

  • 基本的には10%を上回れば優良企業
  • ただし業種によっては基準が異なる場合もある

 

ROEのデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

 

すべて10%以下。

でも近年は8%以上と上昇基調で悪くはないかんじ。

10%を超えてくるかチェックしましょう。

 

同業他社との比較

蔵王産業と同じような事業内容の会社が見つかりませんでした。

なので、同じ卸売業で時価総額も同等の南陽という会社と比較します。

  • 南陽のROEも蔵王産業と似たような値
  • この業界のROE水準はこれくらいなのかも
  • ただし全く同じ業種ではないので参考程度

 

ROEの分析結果をまとめると

  • 10%以下なので合格点ではないが悪くはない
  • 同業他社との比較では同水準(参考程度)

 

ROA

ROA(Return On Asset)とは、日本語では総資産利益率。

収益力の高さを判断する指標です。

  • 基本的には5%を上回れば優良企業
  • ただし業種によっては基準が異なる場合もある

 

ROAのデータは以下のとおりです。

(出典:IR BANK

 

過去10年はほとんど5%以上での推移。

問題なしですね。

 

同業他社との比較

蔵王産業と同じような事業内容の会社が見つかりませんでした。

なので、同じ卸売業で時価総額も同等の南陽という会社と比較します。

  • 南陽のROAはほとんどが5%以下の推移
  • 南陽にくらべると蔵王産業は優秀です
  • ただし全く同じ業種ではないので参考程度

 

ROAの分析結果をまとめると

  • ほとんど5%以上での推移なので合格点
  • 同業他社との比較でも優秀(参考程度)

 

収益性まとめ

収益性(ROEとROA)の分析まとめ。

  • ROEは合格点とはいかないまでも悪くない数値。
  • 今後伸びてくるかチェックが必要
  • ROAはまったく問題なし
  • 総じて収益性は問題なし

 

購入タイミング

せっかく良い株をみつけても購入タイミングが難しいですよね。

できるだけ安く買いたいけれど、今の株価が割安かどうかわからない。

そこで、現在の株価が割高か割安かをはかる指標をご紹介します。

それがPERPBRです。

この指標をもとに蔵王産業が割安かどうかを分析します。

PER

PER(Price Earnings Ratio)とは、日本語では株価収益率。

PERは、現在の株価が割高か割安かをはかる指標です。

  • PERが低いほど割安、高いほど割高
  • 一般的に15倍が適正値といわれている
  • ただし業種などにより適正値は変わるので注意
  • 長期的なPERの推移もチェックする

2023.10.4現在のPERは12.69倍。

15を下回っているので割安といえそう。

長期的には今の値がどうなのか見てみましょう。

 

年単位の推移

(出典:IR BANK

 

月単位の推移(クリックで拡大)

(出典:IR BANK

どちらの推移も中間くらいの値で、割高とも割安ともいえない感じ。

定期的に値をチェックして割安なところを狙いたいですね。

 

業種ごとのPER適正値を調査

蔵王産業の業種は卸売業です。

同業他社のPERをしらべて、数値のちがいをチェックします。

 

※蔵王産業と同じような事業内容の会社が見つかりませんでした。

なので、同じ卸売業で時価総額も同等の南陽という会社と比較します。

多数の企業をピックアップして平均を取りたかったのですが、今回はこの1社のみです。

  • 南陽のPERは高くても9倍くらいで、6倍~7倍台での推移が多い
  • 蔵王産業にくらべるとかなり低い水準
  • つまり蔵王産業はこの業種の中ではPERが高めかも
  • ただし全く同じ業種ではないので参考程度

 

PERの分析結果をまとめると

  • 適正値15倍から見れば割安
  • 過去の推移からみればどちらともいえない
  • 同業他社との比較では割高(参考程度)

 

 

PBR

PBR(Price Book-value Ratio)とは、日本語では株価純資産倍率。

PBRは、PERと同様に現在の株価が割高か割安かをはかる指標です。

  • 基本的には1倍を下回っていれば割安
  • 財務状況や業績が悪い場合は、1倍以下でも割安ではない可能性あり
  • 同業他社をチェックして業界の平均値をみるのも大事
  • 長期的な推移もチェックする

2023.10.4現在のPBRは1.08倍。

1ちょうど1倍付近なので割安でも割高でもない感じ。

長期的には今の値がどうなのか見てみましょう。

 

年単位の推移

(出典:IR BANK

 

月単位の推移(クリックで拡大)

(出典:IR BANK

どちらの推移も過去最高水準。

しかし過去と比べて高いからと言って現在が割高という訳ではありません。

過去が低すぎてやっと適正になったということですね。

現在、日本株はPBR1倍を目指しているので現在の値は適正値です。

 

業種ごとのPBR適正値を調査

蔵王産業の業種は卸売業です。

同業他社のPBRをしらべて、数値のちがいをチェックします。

※PERと同様、南陽という会社と比較します。

  • 南陽のPBRはつねに1倍以下で、近年は0.4倍~0.6倍台での推移が多い
  • 蔵王産業にくらべるとかなり低い水準
  • つまり蔵王産業はこの業種の中ではPBRが高めかも
  • ただし全く同じ業種ではないので参考程度

 

PBRの分析結果をまとめると

  • 1倍を上回っているので割安ではない
  • 過去の推移からみてもやっと適正水準になった感じ
  • 同業他社との比較では割高(参考程度)

 

購入タイミングまとめ

購入タイミングを分析しました。

結論は、PER・PBRともに割安でも割高でもない水準です。

配当利回りや次にご案内する権利確定月などを総合的にみて購入するかどうか決めましょう。

 

配当金の権利確定月

蔵王産業の配当金権利確定月は3月と9月です。

権利付き最終日というものがあり、この日までに株を買っておけば配当金をもらえます。

  • 権利付き最終日は月の最終日ではありません。
  • 証券会社のHPなどで必ず日程を確認してください

 

高配当株投資に適した証券会社

高配当株投資は、株を買ったら持ち続けるのが基本スタイル。

証券会社との付き合いは何十年と続くのです。

なので、つぶれる確率が極力低い大手証券会社を選びましょう。

2023年10月現在、ネット証券の口座開設数トップ3は以下の通り

順位 証券会社 口座開設数
1位 SBI証券 約1,000万口座
2位 楽天証券 約900万口座
3位 マネックス証券 約200万口座

各社の特徴をご案内します。

SBI証券
  • 特定口座の日本株:売買手数料が無料
  • 新NISA:日本株や米国株など主要商品の売買手数料が無料
  • 日本・アメリカなど10ヶ国の商品を扱っている
  • TポイントやPontaポイントなどがたまる
  • 口座開設はこちら
    【SBI証券】国内初の1,000万口座突破!

 

楽天証券
  • 特定口座の日本株:売買手数料が無料
  • 新NISA:日本株や米国株など主要商品の売買手数料が無料
  • 楽天ポイントや楽天キャッシュがつかえる
  • 楽天銀行や楽天市場など、楽天経済圏との連携
  • 口座開設はこちら

    【楽天証券】最大20,700ポイントのチャンス!

 

マネックス証券

 

トップ3なだけあって、どの証券会社もすばらしいサービス内容です。

各社のメリットを把握して、証券口座をうまく使いこなしましょう。

どれか1社に決められないかたは複数口座を開設するとよいかもしれません。

口座を複数持つメリット
  • 日本株・米国株・投資信託などを口座ごとに分けて管理できる
  • 1口座に資産がまとまらないので、万が一倒産した時のリスク分散になる
  • 取扱い銘柄の数・米ドル購入手数料など、各社違いがあるので選択の幅が広がる
  • IPOの当選確率がアップする

 

昔は口座開設の手続きが面倒くさい印象がありましたが、最近はかなり簡略化しています。

サクッと開設して新NISAに備えましょう!

 

まとめ

蔵王産業の銘柄分析をしました。

今のところ財務はおおむね良好ですが、在庫の増加など気になる点もあります。

今後も引き続き監視し続けたいと思います。

 

参考にさせていただいた動画の両学長は本も出されています。

「お金の大学」という本で、特徴は以下の通り。

  • お金の知識を幅広く勉強できる本です。
  • なんと120万部突破しました!
  • オリコン年間“本”ランキング2022のビジネス書第1位!

まだ読んでいないかたは是非!