JACリクルートメント（2124）は高配当株として長期投資できるのか分析します

ジェイエイシーリクルートメント（2124）が高配当株投資として長期運用するのにむいているかを分析します。

 

この記事を読むと以下のことが分かります。

 

注意点もご確認ください。

たくさん高配当株の分析をしています。こちらからどうぞ。

高配当株投資は長期的に株を保有し、配当金を受け取りつづけるのが目的です。

なので高配当株投資に適している銘柄を探すときのポイントは

業績が安定・成長している企業なら、配当金を安定的に払える確率が高いですよね。

ジェイエイシーリクルートメントはどうなのか、さっそく分析していきましょう。

結論

まずは結論です。

JACリクルートメントは、高配当株投資とし適していると判断しました。

過去データを分析した結果、ほとんどの指標で優秀でした。（分析の詳細は後述します）

記事後半ではさらに深堀分析し、購入タイミングのヒントなどを探っていきます。

分析方法

過去のデータを分析して、高配当株投資に適しているかを見極めます。

分析するデータはIR BANKというサイトから引用。

分析方法は下記の動画を参考にさせていただいております。

分析

動画を参考に以下の項目を分析します。

（IRBANKの使いかたは動画の9：15を参照してください。）

売上高

売上高とは、売上金額の総額です。

会社によっては「営業収益」や「収益」などいろいろな呼ばれ方があります。

分析するときのポイントは次のとおりです。

売上高の上下が激しい、つまり業績が不安定な企業は高配当株投資には向いていません。

業績が安定していなければ配当金も安定して払えない確率が高いですよね。

売上高のデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

右肩上がりですね。問題なし。

EPS

EPS（Earnings Per Share）とは、一株あたりの利益のこと。

株式投資においてもっとも重要な指標です。

超有名な投資家バフェット氏も重要視しています。

分析するときのポイントは次のとおりです。

極論、EPSが右肩上がりなら企業経営は100点。

もしEPSがさがっていたら、まずいかも。

EPSのデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

2020年に激減していますが、その後最高値を更新しているので問題なしです。

営業利益率

営業利益率とは、売り上げのうち営業利益の占める割合です。

これが高いほど収益性の高い企業といえます。

つまり儲かるビジネスをやっているということです。

分析するときのポイントは次のとおりです。

東証1部上場企業（金融業以外）の営業利益率の平均は7％前後。

利益率が伸びているか悪化しているかトレンドもチェックしましょう。

営業利益率のデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

減少傾向とはいえ、20％越えはすばらしいですね。

文句なく合格点。

自己資本比率

自己資本比率とは、企業の安全性を表す指標です。

これが高いほど潰れにくい会社ということ。

100万円資本があったとして、その内40万円が借金なら自己資本比率60％です。

分析するときのポイントは次のとおりです。

中小企業の場合、自己資本比率40％以上の会社が10年以内に倒産する確率は3.5％。

上場企業で自己資本比率60％以上なら倒産リスクはかなり低いといえそう。

自己資本比率のデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

高水準かつ増減が少なく安定している。

最高のパターンです。

営業活動によるCF

営業活動によるCFは、営業活動（商売）で手元の現金がいくら増えたのかを表す指標。

ちなみにCFとはキャッシュフローのことで、お金のながれのことです。

分析するときのポイントは次のとおりです。

動画作成者の両学長は、過去10年で1度でも赤字の年がある株は購入しないそうです。

営業活動によるCFのデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

10年以上黒字で増加傾向。問題なしです。

現金等

企業の目的は現金を稼いでふやすこと。

なので増えているかちゃんとチェックしましょう。

 

分析するときのポイントは次のとおりです。

現金がたくさんあれば、不景気を乗り越えられるし事業投資もたくさんできるし配当や自社株買いで株主に還元できる。

また、現金をあまり持っていないように見えても株や債券などの資産を保有している可能性もあります。

現金等のデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

長期にわたり増加傾向。すばらしいですね。

1株あたり配当金

1株あたり配当金は、高配当株投資においてトップレベルに重要な指標。

絶対にチェックしましょう。

分析するときのポイントは次のとおりです。

減配（配当金が減ること）や無配（配当金が0円になること）がないか確認。

また、減らないだけでなく増えているかも重要。

また、リーマンショック（2008年）やコロナショック（2020年）などの不景気時の動きは要チェック。

1株あたり配当金のデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

ここ数年は停滞気味ですね。

でも減配はほとんどないので問題ないでしょう。

配当性向

配当性向とは、利益の内何％を株主にキャッシュバックするかを示す指標。

企業が無理をして配当を出していないかをチェックできます。

分析するときのポイントは次のとおりです。

70～80％は配当維持が厳しくなりそうな水準。

配当性向のデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

すこし高すぎますね。

現状では合格点とはいえなそう。

今後の推移に注目です。

分析まとめ

データの分析結果をまとめました。

※◎と〇は合格点です

分析ポイント	結果（◎〇△×の４段階）
売上高	◎
EPS	〇
営業利益率	◎
自己資本比率	◎
営業活動によるCF	〇
現金等	◎
1株あたり配当金	〇
配当性向	△

総合的には合格点。

配当性向の動向は要チェックです。

さらに分析（収益性）

ここからはさらに高配当株投資に重要な項目「収益性」を分析します。

収益性とは、企業の稼ぐ力を判断する指標です。

 

※下記の書籍を参考にさせていただきました。

ROE

ROE（Return On Equity）とは、日本語では自己資本利益率。

どれぐらい効率良くお金を稼いでいるかを示す指標です。

 

ROEのデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

 

10％を大きく上回っています。超優秀ですね。

 

同業他社との比較

人材サービス超大手のリクルートホールディングス（6098）と比較します。

会社名	ROE（直近5年平均）
リクルートホールディングス	17.33％
JACリクルートメント	27.98％

※数字は記事作成時点のものです。

同業他社とくらべても優秀な数字ですね。

 

ROEの分析結果をまとめると

 

ROA

ROA（Return On Asset）とは、日本語では総資産利益率。

収益力の高さを判断する指標です。

 

ROAのデータは以下のとおりです。

（出典：IR BANK）

 

5％をおおきく超える水準。問題なしです。

 

同業他社との比較

人材サービス超大手のリクルートホールディングス（6098）と比較します。

会社名	ROA（直近5年平均）
リクルートホールディングス	9.37％
JACリクルートメント	20.31％

※数字は記事作成時点のものです。

同業他社との比較でも超優秀な数字です。

 

ROAの分析結果をまとめると

 

購入タイミング

せっかく良い株をみつけても購入タイミングが難しいですよね。

できるだけ安く買いたいけれど、今の株価が割安かどうかわからない。

そこで、購入タイミングのヒントになる指標をご紹介します。

PER

PER（Price Earnings Ratio）とは、日本語では株価収益率。

PERは、現在の株価が割高か割安かをはかる指標です。

2023.10.29現在のPERは17.43倍。

すこし割高という感じでしょうか。

長期的には今の値がどうなのか見てみましょう。

 

株価＆PERの推移（クリックで拡大）

（出典：IR BANK）

長期的には、どちらかといえば安値圏にみえます。

 

業種ごとのPER適正値を調査

人材サービス超大手のリクルートホールディングス（6098）と比較します。

会社名	PER（直近5年平均）
リクルートホールディングス	35.05倍
JACリクルートメント	24.24倍

※数字は記事作成時点のものです。

同業他社とくらべると割安ですね。

 

PERの分析結果をまとめると

 

PBR

PBR（Price Book-value Ratio）とは、日本語では株価純資産倍率。

PBRは、PERと同様に現在の株価が割高か割安かをはかる指標です。

2023.10.29現在のPBRは6.62倍。

1倍をおおきく上回り割高です。

長期的には今の値がどうなのか見てみましょう。

株価＆PBRの推移（クリックで拡大）

（出典：IR BANK）

けっこう割高ですね。

 

業種ごとの平均値と比較

人材サービス超大手のリクルートホールディングス（6098）と比較します。

会社名	PBR（直近5年平均）
リクルートホールディングス	5.63倍
JACリクルートメント	5.72倍

※数字は記事作成時点のものです。

直近5年平均は同業他社と同水準ですね。

 

PBRの分析結果をまとめると

 

信用倍率

信用倍率とは、信用取引の「買い方」と「売り方」の状況をしめす指標です。

つまり信用買残だけが増加すると信用倍率が上がる（悪化する）ということです。

信用倍率が悪化するほど株価の上昇しづらい傾向があります。

（もちろん信用倍率など関係なく上昇し続ける株もありますが。）

なので、できるだけ信用倍率が低いところで株を買いたいです。

 

信用買い残＆売り残＆株価（クリックで拡大）

（出典：IR BANK）

信用売り残も買い残もそれほど多くなく、信用倍率は適正の範囲内です。

配当利回り

高配当株を買うタイミングの目安として配当利回りがあります。

例えば利回りが4％になったら買うとか。

そこで配当利回りごとの株価を表にしました。

配当利回り	株価
3.0％	2,833円
3.25％	2,615円
3.5％	2,429円
3.75％	2,267円
4.0％	2,125円
4.25％	2,000円
4.5％	1,889円

※記事作成時点の配当金85円をもとに計算しています。

購入タイミングまとめ

購入タイミングを分析しました。

結果をまとめるとこんな感じです。

総合的にみると割高感のほうが強いでしょうか。

できればPBRが下がったところで買いたいです。

配当利回りを重視する方は一覧を参考にしてください。

配当金・株主優待の情報

高配当株投資をするなら、配当金の権利確定月や株主優待の情報はだいじです。

高配当株は権利確定月前後で値動きが活発になる傾向があります。

権利確定月付近で株を買うなら、過去の同時期の値動きなども参考にしましょう。

配当金の情報

配当金を受け取るには、権利付き最終日に株を保有していればOK。

ジェイエイシーリクルートメントの場合は、12月に権利付き最終日があります。

年一回、12月だけなのでお気をつけください。

株主優待の情報

株主優待はありません。

高配当株投資に適した証券会社

高配当株投資は、株を買ったら持ち続けるのが基本スタイル。

証券会社との付き合いは何十年と続くのです。

なので、つぶれる確率が極力低い大手証券会社を選びましょう。

2023年10月現在、ネット証券の口座開設数トップ3は以下の通り

順位	証券会社	口座開設数
1位	SBI証券	約1,000万口座
2位	楽天証券	約900万口座
3位	マネックス証券	約200万口座

各社の特徴をご案内します。

 

 

 

トップ3なだけあって、どの証券会社もすばらしいサービス内容です。

各社のメリットを把握して、証券口座をうまく使いこなしましょう。

どれか1社に決められないかたは複数口座を開設するとよいかもしれません。

 

昔は口座開設の手続きが面倒くさい印象がありましたが、最近はかなり簡略化しています。

サクッと開設して新NISAに備えましょう！

 

まとめ

ジェイエイシーリクルートメントの銘柄分析をしました。

過去の業績はとても優秀でしたね。

記事作成時点の利回りは3.61％。これで納得できるなら買ってみるのもありかもしれません。

でも最近下落しているので、できればもっと安値をねらいたい！

 

このブログの情報がすこしでもお役に立てればうれしいです。

他にも高配当株の分析をしています。こちらよりチェックしてください。

 

参考にさせていただいた動画作成者の両学長は本も出されています。

「お金の大学」という本で、特徴は以下の通り。

まだ読んでいないかたは是非！

 

※投資は自己責任です。くれぐれも無理はなさらぬようお願いします。